乾癬(かんせん)とは
アトピー性皮膚炎と全く違う乾癬
アトピー性皮膚炎はよく知られている皮膚疾患ではないでしょうか
芸能人でアトピー性皮膚炎であると公表している方々は何人もいます
狩野英孝さんや重盛さと美さんはご自身のブログに以前からアトピー症状やケアの方法を投稿されています
人前に出る職業の方のアトピーケアはとても勉強になるものだなぁと感心します
▶重盛さと美さんの手作り化粧水を公開!<アトピー性皮膚炎の芸能人>
その他に広く知られている皮膚疾患は、蕁麻疹や汗疹、トビヒ、イボ、タコ、魚の目など辺りでしょうか
しかし、この他の皮膚疾患と日々向き合っている方々も多くいるのです
(これまでにメディアでもあまり取り上げられることはなかったように思いますし、筆者は2017年まで知りませんでした…)
モデル・タレントの道端アンジェリカさんが2017年5月13日のInstagramで、加工なしのすっぴん写真を公開し、ご自身の肌に『乾癬 ( かんせん )』という持病を持っていることを告白しました
『乾癬( かんせん )』ご存知でしたか?
乾癬の患者数は、国内に約10万人(1000人に1人)~20万人といわれています
アトピーの患者数は、国内に2011年の調査では約37万人いるそうです
更に、国内では約1割の人がアトピー患者という2016年の記述もあります
アトピー患者から見ると乾癬の患者数は少ないように思えます
しかし10万人~20万人という数字は決して少ない数字ではありません
アンジェリカさんの告白に、同じ肌の症状を持つ人たちからのコメントが寄せられています
「私もアンジェリカちゃんと同じ乾癬です…(略)…乾癬になる子ってあんまり細かい事を気にしないし働き者で、ま、いっかー!とか言えちゃう人が多いのですよ(*^o^*)」
「あたしも乾癬にかかり数年経ちました。…(略)…これからの暑い時期は赤身がよく目立つので夏でも肌を出すがの嫌です。自暴自棄にもなり嫌になりますが向き合うしかないので毎日薬や塗り薬頑張ってます!!」
「友達も同じ病気でいつも悩んでいます …(略)…今回このインスタを友達に見せました😊 とても勇気が出たみたいです😊」
( 道端アンジェリカさんのinstagramより抜粋させていただきました。ありがとうございました。)
すっぴんの告白に、同じ症状を抱えている人の他にも、たくさんの人たちの反響がありました
instagramでは、ネットでの「スーパーフードを食べているのに肌が汚い」という声に対し、持病を告白し「肌荒れとスーパーフードは関係がないもの」と否定しています
この投稿は、結果として多くの人に勇気を与えることになったようですよ
アトピー性皮膚炎の言葉は知っていても、乾癬という肌の病気は今回初めて知ったという人も多くいたことでしょう
( 筆者もそうでした )
乾癬の認知を世に広めるきっかけをくれたとも思います
そして、同じ皮膚の疾患を抱えているアトピー患者にも大きな勇気を与えてくれたと思います
本当にモデルでありながら告白された勇気は素晴らしいですね
さて、乾癬とはどのような肌疾患なのでしょうか
ここでは、『乾癬』についてと、『アトピー性皮膚炎と乾癬の違い』について、症状や治療方法などの違いや類似を探っていきます
【乾癬とは】
★乾癬はアトピー性皮膚炎と同じく決して人に移る病気ではありません
同じプールに入っても移りません
しかし逆に、皮膚疾患者の傷口にばい菌が入って他の疾患が移りやすいので、注意が必要です
★乾癬とは慢性的な皮膚の病気です
その主な症状は次の通りです
皮膚が赤くなって盛り上がる「紅斑(こうはん)」
次第に、その表面が銀白色の細かいカサブタ=「鱗屑(りんせつ)」で覆われ
やがてそれがフケのようにボロボロとはがれ落ちる=「落屑(らくせつ)」になります |
★乾癬は、5つの分類に分けられます
・尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)・・・全体の9割を占め、一般に乾癬といえばこの尋常性乾癬を指します
・関節症性乾癬(かんせつしょうせいかんせん)・・・関節が腫れたり、痛んだり、ときに強い変形をきたすこともありますが、関節リウマチではありません
・滴状乾癬(てきじょうかんせん)・・・若い人に多く、溶連菌感染(扁桃炎)の後などに、水滴ぐらいの大きさ(直径1cm程度)の小型の皮疹が、急に全身に現れます
・乾癬性紅皮症(かんせんせいこうひしょう)・・・尋常性乾癬の皮疹が全身に広がり、皮膚全体の80%以上が赤くなった状態(紅皮症化)をいいます
・汎発性膿疱性乾癬(はんぱつせいのうほうせいかんせん)・・・発熱、悪寒、全身倦怠感などを伴い、急激に全身の皮膚が赤くなり(紅斑)、その上に無菌性の膿疱(うみを持った状態)が多数現れ、発症頻度は非常にまれですが、難治性であることや、治療に急を要することなどから、厚生労働省の難病に指定されています
( 『乾癬の種類について』乾癬ネットより引用させていただきました。ありがとうございました)
アトピー性皮膚炎には乾癬のような分類はありません
乾癬は、完治が難しい疾患です
アトピーと同じく慢性化しやすい疾患です
生活習慣の見直しや皮膚科治療によって、症状を抑えたり改善を目指していきます
【アトピー性皮膚炎 】
アトピー性皮膚炎は、増悪、寛解を繰り返す、そう痒のある湿疹を主病変とする 疾患であり、患者さんの多くはアトピー素因をもっています
アトピー性皮膚炎は常在菌の黄色ブドウ球菌の増殖が速いのが特徴です
膝や肘の内側などに左右対称に出来ます
アトピー性皮膚炎の治療法は、次の通りです
1.塗り薬
ステロイド軟膏、保湿剤、免疫抑制外用薬( ステロイドとは異なるもの )
2.飲み薬
抗ヒスタミン剤・抗アレルギー剤( ザイザル、タリオン、アレロック、クラリチン、ジルテックなど)
ステロイドの飲み薬
免疫抑制薬の飲み薬
【乾癬 】
乾癬は細胞が、健康な皮膚と比べて10倍以上の速度で生まれ変わり、生産が過剰な状態になっていると言われています
過剰に生産された表皮の細胞は厚く積み上がり、白っぽいカサプタ=鱗屑(りんせつ)となって、擦るとふけのようにパラパラとはがれ落ちていきます
★乾癬の治療法には次の方法があります
1.外用療法
- ステロイド( 炎症を抑える働き )
- ビタミンD3(皮脂細胞の繁殖を抑える)
- ステロイドとビタミンD3の配合外用薬( 炎症と皮脂細胞の繁殖を抑える )
2.光線療法( 紫外線 )
- 光源ランプを用いて紫外線を照射
- 適度に直射日光を浴びることも推奨されているが紫外線には皮膚の発がん性など作用もあり過度の日焼けは厳禁
3.飲み薬
- 皮膚細胞の異常増殖を抑えるレチノイド(ビタミンA誘導体)
- 免疫反応を抑えるシクロスポリン(免疫抑制薬)など
4.生物学的製剤( 皮下注射や点滴 )
- これまでの治療で効果がみられない場合
- 皮下注射と点滴の2種類
- 病変部位に大量に出ている炎症にかかわる物質を抑制する働きがある
5.組み合わせ療法
- 効果を引き上げ、副作用を抑えるために複数の治療方法を組み合わせて用いる療法
( こちらは 乾癬.com Maruho様より引用させていただきました。ありがとうございました)
【アトピー性皮膚炎と乾癬の違い】
アトピー性皮膚炎と乾癬では、痒みに違いがあると言われています
アトピー性皮膚炎は、強烈な痒みがあるのに対し、乾癬は、人によっては痒みがないこともあります
【まとめ】
アトピー性皮膚炎と乾癬は、同じ皮膚疾患ではありますが、症状も治療法も、こんなにも違うことがわかります
慢性化しやすいところはアトピー性皮膚炎と乾癬は共通点のように思います
しかし、5つに分類されることや、症状や治療法の違いがあります
自己判断せずに受診をして、治療方法を間違えないようにすることが重要ですね
アトピー性皮膚炎の場合、命に関わることはないとされていますが、強烈な痒みや不眠、ストレスなどは生活の質を著しく下げてしまいます
一方、乾癬の9割は尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)と言われるもののようです
発症がまれである前述の汎発性膿疱性乾癬(はんぱつせいのうほうせいかんせん)は、厚生労働省の難病に指定されるほどの難治性であり、治療に急用性があるとされています
どちらも、日々のケアを大切にしていきましょう
そして、少しでも良い状態を保てるように、出来ることを地道に続けていきたいですね
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